1月11日に慌ただしく出航したブログ「長谷部浩の劇評」も、一ヶ月を経過した。これまでに現代演劇、歌舞伎とりまぜて七本の劇評をアップロードした。今日の時点でページビューは2800余り。さしたる宣伝もしないのに、こうして読者がいるのを確認できてうれしく思います。
こうした劇評サイトを改めて始めようと思ったのは、今回,「菊之助の礼儀」と「野田秀樹の演劇」二冊の本を上梓してみて、以前、岩波書店から三津五郎さんと「歌舞伎の愉しみ」「踊りの愉しみ」を出版した時期と比べても、情報の流通があきらかに変わってきたと実感したからです。
なかでも市川左團次さんの人気ブログに「菊之助の礼儀」が取り上げられたとたんに、Amazonのランキングが急進して、古典芸能のカテゴリーで一位となった速度感はすさまじいものでした。また、同じブログで左團次さんの奥様がまた書いて下さったときも、一位となる現象が再現されました。
「今、どんな本がおもしろいか」といった情報は、インターネット、しかもコンピュータよりはスマホで主に流通しているようです。だとすれば、「今、どんな舞台がおもしろいか」も、ネットでの情報流通が主軸となっているのも当たり前のことでした。
紙の単行本を主な表現手段としていく方針は変わりませんが、ネットもまた重要な発表の場と思うようになりました。
これからも、できるだけ充実した劇評を発信していきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。