長谷部浩ホームページ

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2019年1月23日水曜日

【書棚7】日本舞踊曲集成

俗に「赤本」という。舞踊界では必須の玄人向きアイテム。普通の事典と、変わっているのは、長唄、清元、常磐津、義太夫など、地方のジャンルのなかで、曲名がアイウエオ順になっているところ。舞踊家さんはどのように使うのかはわかりませんが、単純にすべての曲がアイウエオ順になっているよりも、便利な局面があります。各項目に詞章、解題、大道具、小道具、衣裳、かつら、所要時間の項目があるので、番組の組み合わせを考えるときに重宝します。

ずいぶん前になりますが、菊之助さんと東日本大震災のためのチャリティ舞踊会を開いたとき、予算の関係で、清元なら清元の曲で三番並べなければならないことがあり、「なるほと、こんなふうに使うのだな」と納得しました。

左に並んでいるのは、日本舞踊辞典(郡司正勝編)。編者の目がゆきとどいたコンパクトな一冊。よっこらしょと大きな事典を開くまでもない場合に使います。

書いていて思ったのですが、このような種類の本は、すでに必要な人は持っているから、紹介する意味はあまりないのかな。

次回からは、ちょっと、演劇、舞踊から離れて選書してみます。