不屈の精神という言葉がある。
なにやら右翼がかった精神論だとばかり思っていた。
けれど、シェイクスピア作、蜷川幸雄演出の『リチャード二世』を観て、
どんなことがあっても、人は立ち上がらなければいけない。
その宿命を負って人は生きていると思った。
演出家が病におかされ、車椅子にあるからではない。
リチャード二世が、あらゆる障害、あらゆる中傷、あらゆる絶望のなかに、
ひとり泥濘のなかに立った杭のように生きている作品だからだ。
私たちはこのようにして世の中に突っ立っていることができるのだろうか。
考えに沈んだ。