長谷部浩ホームページ

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2017年3月15日水曜日

【閑話休題62】『権力と孤独』最終コーナを回る。

これが最後の書き下ろしになるかもしれない。そんな危機感を持って全力で直しを行う。今日、あとがきの初校が出たけれども、これも大幅に改稿して書き足す。

書き下ろしに慣れると、日頃の短い原稿がたやすく思えてくる。10枚や20枚の原稿なら、軽々とできるような錯覚に陥る。短い原稿には短いなりの難しさがあるのを忘れそうになる。危険だなと思う。
明日は、再校を読んだ校正者から、再度の赤が入ったゲラが戻ってくる。さらに全体を見直すことになるけれど、ほぼ再構築は終わって、あとは細部を確認するだけだ。最終的な戻しは23日。私はこの再校で手を離す。三校はとるけれども、編集者のNさんにお任せする。

ベテランの俳優から「ようやく芝居が少しはできるようになったと思ったら、今度は台詞覚えが悪くなった」と冗談交じりの警句を聞いたのを思い出した。

以前は、本を出すごとに3キロから5キロ痩せた。もう、そんなに痩せたら持たないので、しっかり食べて寝るようにしています。

何度か書き下ろしを経験して、ようやくペースのつかみ方や全体の構築の仕方が身についたなと思った頃には、気力体力に衰えが目立ってくる。

甘いといわれればそれまでだけれど、書き下ろしが続いたので、今度の仕事が終わったら少し休んで、ジムやプールに通って体力を取り戻さなければと思う。