歯医者の定期検診に行ってから、定例のゼミが休みなので、お能についての文章に取りかかる。
能評のようなものは、生まれたときから自邸に能舞台がある人が書くものと言い聞かされてきたので、自分が書く機会があるなどとは思ってもいなかった。
能楽書林の編集者に前々から頼まれたのが気になっていたので、
急に書いてみたくなった。
六月の九日、十日に連夜、国立能楽堂で行われた『安宅』についてである。シテの弁慶は、浅見真州と友枝昭世。
いずれも当代を代表する能役者である。巧く書こうとはもちろん思いもしないが、これがどのような意味を持つのかが自分ではよくわからない。
編集者と相談して、稿を改め、掲載に値するようであれば、載せてもらうくらいの心づもりです。