新しく雑誌の連載を始めることになりました。
早川書房発行の『悲劇喜劇』9月号(8月7日発売)からスタートします。
先週、第一回の原稿を入稿したところです。
毎回、400字詰めで15枚の原稿を書くことになりました。
タイトルは「シーンチェンジズ 長谷部浩の演劇夜話」と決まり、
頁のデザインも固まりました。
場面転換を意味する用語です。
はじめは「つれない女」とか「去年の雪」などと、
ひねりまくったタイトルを考えていたのですが、
懐の深い編集者にやんわりと断られ、
今のタイトルに落ち着きました。
ダメといわないで筆者を導くのが、
よい編集者というものですね。
もちろん、今はこの「シーンチェンジズ」というタイトルに満足している。
実はこの連載、編集部と話をしてから、
はじめるまでになんと、二年半が経過してしまいました。
なんともスロースターターで気恥ずかしい。
やれやれ。
弁解がましくなるのですが、この間、『天才と名人 中村勘三郎と坂東三津五郎』や『権力と孤独 演出家蜷川幸雄の時代』の二冊を書き下ろしていたので
とても長文の劇評を書く余裕がありませんでした。
この間、すこし考えが変わって、
劇評の要素もある閑談のような形を考えています。
第一回で書いたのは、ジョン・ケアード演出の『ハムレット』と
野村萬斎演出の『子午線の祀り』ですが、
直近の舞台から、舞台や書籍の想い出を掘り出して、
思いつくままに書いていこうと思っています。
今回は蜷川幸雄演出の『ハムレット』や古川日出男現代語訳の『平家物語』の話も出てきます。
とりとめない断章ですが、演劇好きの読者にとって、気楽な読みものになれば嬉しく思います。
果たしてどんな流れになるかは、定かではありませんが、
古典、もしくはそれに準じた作品を扱っていきます。
現代演劇と歌舞伎の垣根を越えて、ひとつらなりに書けたらと思っています。